DAC Six 製作手順
 回路図 部品表

 基板シルク図
 基板パターン図1(半田面)
 基板パターン図2(部品面)

  データーシート
  DIR1703  
  AD1853

1、部品確認
  最初に部品表と現物とを照らし合し全部品が有るか確認願います。
  
2、配布基板には、バグがあります。
  一番最初にパターンカットを行ってください。後から行うより楽です。
  (1)パターンカット1箇所
    ・基板裏面 U8の6番ピンとCX間を切断する。
     改造前 改造後

  (2)配線1本 切断したCX側端子とU8の4番ピン間を配線する。
     U8のICソケットとCXを実装する時に配線するのが良いです。

  簡単に書けば、CXとU8、4番ピンを接続する所、基板上ではU8、6番ピンが繋がっています。

3、SSOP ICの取り付け
  表面実装部品(SOP、SSOP)を最初に取り付けます。
  本品組み立てで一番難しい所です。
  逆に、取り付けが成功したら、90%は完成したも同じです。
  他の部品を取り付けた後では、実装不可能ですので、最初に取り付けてください。

  SSOPを手ハンダで取り付ける方法は色々ありますが、私の方法をご紹介いたします。
  ただし私の方法は、少し荒い方法ですのでご自身の責任で実行願います。
  他の取り付け方法の紹介ページも参考に実行願います。
  Web上で色々紹介されています。

  SSOP半田付に、半田吸い取り線及び拡大鏡が必要です。
  
  SSOP半田付手順
  0、基板のICハンダ付け箇所にフラックスを塗ります。
    塗りすぎに注意願います。均等に薄く塗ります。
    フラックスは、洗浄タイプと無洗浄タイプがありますが、無洗浄タイプが使いやすいです。
    フラックスを塗ると、ハンダの付きがとても良くなります。
    フラックスは、新しい物を使ってください。
    塗った箇所は、ベトベトしますので、大きく塗らず、必要箇所のみに塗ります。
    また、ベトベトが幸いして、乾く前なら、ICを乗せて押さえると少し粘着しますので下記テープ固定を省略
    する事も可能です、ただし!接着剤でないので、何度も塗らない事!
    
  1、ICをテープにて基板に固定します。 
    ICの足が基板パターンとピッタリ重なる様に貼ります。
    この貼り方が成功の鍵です!
    何度も確認してズレが無い事を確認してください。
    ICの足が基板から浮いていない事を確認して、浮いていたら爪の先などで押さえ基板に密着させてください。
  2、ICの足の先端に半田を盛り基板と半田付けします。 
    この時、隣のIC足に半田が付いても気にしないで確実に全足を基板と半田付けします。
    だだし出来るだけ手早く行ってください。
    足のつけ根部分に半田をつけると、取り切れない場合がありますので注意願います。
    出きるだけ足の先の方を半田付けします。
  3、次に、半田吸い取り線を用意し、ICの足に当て、今付けた半田を吸い取ります。 
    この時、隣のIC足とブリッジしている半田が無くなるまで行います。
  4、ICの取り付け確認を何度も念入りに行ってください。
  5、半田ヤニが基板に残りますが、アルコールで拭くと綺麗になります。 
       写真は他基板の作業例
  6、複数のICをハンダ付けしますが当然全て正常取り付け出来て動作します。
   
  

   デジカメのマクロモードで撮影して確認すると良いです。


4、SSOPが付きましたら他の部品をどんどん半田付けしていきます。
  背の低い部品より取り付けた方が良いです。
  本基板は、添付部品以外の部品へ交換する場合を考慮して、複数の取り付け穴が開いています。
  特にコンデンサーを取り付ける場合は、穴を間違えない様注意願います。
  基板パターンを確認して部品取り付け願います。
  また極性の有る部品は、くれぐれも間違えないよう取り付けてください。
  基板のハンダ付け間隔が狭い箇所があります。ハンダブリッジに注意願います。

  添付部品の中には、足がフォーミング(基板挿入用に曲げ加工されている)品が含まれていますが、
  基板穴間隔は、部品足を付根から真直ぐ伸ばした状態で挿入出来るよう設計しています。
  基盤上の+GND−間も配線します。
      

   

 
5、入出力端子
  LED、SW端子は、フラットケーブル用コネクターを実装出来る様設計しています。(コネクター未添付)
  SWは、入力選択(OPT/COX)用です。
  SW端子間が、ショートされるとCOX(同軸入力)が選択されます。

  LED
   ERR・・・入力信号無し(異常)時に点灯
   OPT・・・OPT(光)入力選択時に点灯
   EMPH・・・エンファンシスON時に点灯
   POW・・・電源ONで点灯(CPU起動時に数回点滅します)

  SW
   INSEL・・・オープンでOPT(光)入力/ショートでCOX(同軸)入力

  COX(同軸)入力のみ使用してOPT(光)入力を使用しない(接続しない)場合は、OPT入力端子をジャンパー
  接続してショート状態にしてください。


 参考配線図

これで基板部分の完成です。

動作確認
1、起動
  CPUが起動に成功した場合は、POW(電源)LEDが起動直後に数回点滅して点灯します。
  
・製作上のアドバイス
 U1−3のオペアンプを変更すると音が大きくかわります。
 ICソケットを実装して交換されて音質比較されても良いかと思います。
 3つのOPアンプは、同じ物でなくてもOKです。
 U2、U3は、IV変換用ですので、同じ銘柄のOPアンプICを実装します。U3は、違うOPアンプでも良いです。
 また、C30、31のコンデンサーを変更しても音に影響します。
 大容量品に交換可能なように基盤スペースを取っています。最大18mmまでの品なら実装可能です。

  1KHz 0dB出力波形


参考情報
部品セットを購入された方より、IV回路の抵抗値が低いのではないか?
と問い合わせをいただきました。

AD1853のデーターシートでは、4.12Kが指定されています。
この値は、明らかに間違えだと思います。
もし、4.12Kを使用するなら、次段の差動回路定数が間違えだと思います。
4.12Kを使用すると、0dB入力時に、10Vp−p以上になります。大きすぎです。

配布品では、750Ωですが、もう少し大きくても良いと思いますので、最適抵抗値をカットアンドトライで調査してみました。
製作時の参考にしてください。

R17、R18、R19、R20の値です。

・750Ω 出力電圧 0.8V(RMS)


・1.5KΩ 出力電圧 1.6V(RMS)


・2KΩ 出力電圧 2.1V(RMS)


・2.2KΩ 出力電圧 2.35V(RMS)


上記より、抵抗値を変更される場合は、2.2Kまでにしたほうが良いと思います。


基準信号発生には、専用測定器を使用しています。



完成品製作記
本機は、自作初心者向け企画ですので、ケース入れなど、完成品製作の参考用に完成品製作記を書く事にします。

・ケース

使用ケースは、タカチ電機の品を使用します。
大きさは、高66mm、幅100mm、奥200mm(約)の品です。

・穴あけ
 
穴あけ位置を決めたら、原寸で型紙を作ります。
型紙をケースの穴あけ部分にテープで貼ります。

穴あけ型紙
写真で紹介している型紙です。原寸で印刷して使用します。
当然ですが、穴径等は使用する品に合わせて変更する必要があります。

 
穴あけの中心位置にポンチを撃ちます。
ドリルで穴あけする時に、中心位置を出すためです。

ポンチで印を付けたら、ドリルで穴あけします。
最初から大きな穴は開けないで、3mmほどの小さな穴を最初に開けます。
ドリルには、工業油を少し付けて使用すると、刃が長持ちしますし、バリも少なくなります。
  
ドリルの径を変えて目的穴径で穴あけします。
穴あけが終了したら切断箇所にバリが出ますのでバリ取りをします。
色々な、バリ取り冶具が市販されています。
青いのは、大きな穴用で、下には、電動ドリルに付けて小さな穴のバリを取り品です。
また、バリ取りが終わったら中性洗剤で洗います。

パーツ取付

パーツを取付る際に、ボックスレンジを使用するとしっかり取付る事が出来ます。

前面LEDは、瞬間接着剤で貼りつけました。

組立て
  
使用するケースの奥行きが少し足りません。
5mmのスペーサーを付けて裏板を取り付ける事にします。
  
電源ケーブルは、サポートを取り付けて穴に通します。
電源のみならず金属ケースの穴に線を通す場合は、保護が必要です。
また、線が引っ張られて接続部に力がかからないようにします。
私は、タイラップで止めています。
 
前面、背面の部品と基板間を配線します。

ケースと基板の間に少し隙間ができます。
動かすとカタカタ音がしますので、厚紙を挟んでいます。



  
完成です。

本機では、LED表示に電源LEDしか実装していません。
未添付のLED用抵抗はRPは、390Ωを使用しています。
使用LEDは、高照度青色LEDです。

電源SWも省略しています。
アンプのACアウトレットに接続して使用する前提です。