使用部品及び回路説明
1、DAI回路(デジタルオーディオインターフェース入力)
  入力は、光入力(IN1)と同軸入力(IN0)(下記注意参照)の2入力を標準装備しています。
  その他、TTLレベルで2入力可能な端子(IN2,IN3)を用意しています。
  入力は、S1、S2端子にて選択いたします。
  選択入力された信号のうちIN0、1、2は、OUT端子へ出力されます。
  IN3が選択されている場合は、OUT端子はOFF状態になります。
  DAI ICには、東芝TC9245を使用しています。
  16bitの32K、44,1K、48Kの入力で使用可能です。
  TC9245からは、受信周波数、エンファンシス情報、オーディオデーター、同期クロック等を取り出しています。
2、D/Aコンバータ回路
  D/Aコンバータには、BB(バーブラウン)製のPCM1716を使用しています。
  8倍オーバーサンプリングデジタルフィルタ内臓、24bitの高性能品です。

  TC9245からPCM1716への入力は本来ならば、TC9245のLRCKを反転して入力するのですが、
  基板パターン上最短で配線する為、非反転にてPCM1716へ入力しています。
  この場合、D/Aのアナログ信号出力は、LRが入れ替わり出力される事になりますが、音質、機能面の
  弊害は一切なく、出力端子にてLRの極性を合わせています。
  
3、真空管バッファー回路
  初期の試作段階では、2段直結の回路でNFB等もかけて実験したのですが、最終的には、D/Aの出力を
  2次LPFで受けカソード・ホロワ回路でインピーダンス変換し出力するシンプルな回路に落ち着いています。
  本構成にて、無信号雑音出力は、約0.5mV〜1mV程度です。(3セット製作時の実測値)
  真空管式プリアンプと同程度であり音楽演奏には支障ないレベルです。
  更なる低雑音化には、高圧電源回路の安定化等の対策が必要で大掛かりになります。
  購入者の方々で実験されるのも面白いと思います。

  D/A出力のLPF構成をJPC,JPRの値を変える事で変更できます。
  購入者の方々で実験されるのも面白いと思います。
  真空管カソードのバイパスコンデンサ(OPC1、2)は、手持ちの関係でBPタイプのコンデンサーを入れています。
  本機で一番音質に影響する部品ですので購入者にてお好みの物を用意され交換されると面白いと思います。
  (音響用コンデンサーを使用された方がよいかと思います。)
  100uFで25V以上の品物を使用願います。

  真空管には、GE製 5670を使用しています。
  採用理由は、第1に価格です。中国、ロシア製の安価品もありますが、真空管全盛紀の製品であり、非常に高
  品質品でありながら安価です。また雑誌等の紹介記事にも取り上げられており音質的にも満足できます。
  動作的にも、余裕のある使い方です。
  またセカンドソース品も多く、差し替えて音質の違いを楽しむのも面白いです。
  第2には、今回の回路では、真空管部分の電源に安価な絶縁トランスを使用する事を考慮し設計しています。
  AC120Vをブリッジ整流して約170Vが得られ真空管プレートで約160Vです。
  直流電圧値が5670使用に丁度よい程度得られる事も理由です。

  本回路にて、CD最大録音(0dB録音)レベルにて出力電圧は、約1V(RMS)になります。
  普通、プリアンプにて更に増幅される事を考慮した場合、問題ないレベルです。  
  
4、エンファンシス対応 
  32K、44,1K、48Kの全周波数でエンファンシスのON/OFFが自動で行われます。
  DAI、D/Aの組み合わせでは、外付け回路が必要であり省略される事もありますが、クラシックCDなどでは
  多く採用されており、是非ほしい機能な為回路規模が大きくなりますが実装しています。
5、その他
  フイルムコンデンサには、無誘導巻コンデンサーを適所に使用
  D/Aコンバータ周りにサンヨーOSコンデンサー使用
  専用基板は、両面スルーホール基板、銅箔厚70um品を使用

  ・出品者製作品での特性
   無心号雑音出力レベル 約0.5mV 写真
   1KHz(−20dB)でのCD再生波形 写真

   最終特性は、使用環境、部品、製作方法等により変わります。
   経験上、真空管のエージングに時間がかかります。
   エージングが済むと音もなめらかになりノイズ等も小さくなります。
   
同軸入力時の注意
同軸入力選択時に、接続機器によっては動作しない場合があります。
同軸入力にて確実に動作させる為には、改造が必要です。
光入力では、問題なく使用できます。
改造方法は、個別にお問い合わせお願いいたします。