自作時のアドバイス
所有測定器の一部(よく使用している)を紹介します。
低周波発信器です。
アンプ等の入力信号元とし使用します。
交流電圧計です。
写真は、2チャンネル同時測定できる物です。アンプの出力電圧等を測定します。2チャンネル同時に測定できると、左右の出力差など一目で判り便利です。
ひずみ率測定器です。
これ一台で、低周波発信器、交流電圧計、ひずみ率測定が出来ますので、左の測定器の機能が入っています。
使い勝手は、単独品の方が便利かと思います。
オシロスコープです。
写真の品は、100MHz、4現象品です。
音が聞こえ一見正常なアンプでも、高周波発振(1M以上)などは中々判らない物です。
オシロで観測すると一目でわかります。
(オーディオアナログ信号の観測なら20MHz品で十分実用になります。)
逆RIAAフィルターです。
測定器!?かわ別として、イコライザー回路の周波数特性を測定する時に使用しています。
自作品です。
写真の定数で簡単に自作できます。
前記の
低周波発信器−逆RIAA−EQアンプ−交流電圧計
と接続し周波数特性がフラットになればEQカーブが正常とわかります。
スピーカー製作時の注意

木は生き物?
実際に使用する材木の種類にもよりますが、木は生き物です。
店で購入時には平らな板でも、すぐ乾燥し反りが出て来ます。
いざ組み立てようとする時に狂いが出て隙間が開く事がよくありますので、計画的に2、3日で組み立てするように準備した方が良いです。
ただ、全てでは無く、工作時に押さえて修正可能なら多少の反りは大丈夫です


木の準備
プロの方なら別ですが、中々真直ぐ木を切るのは難しいです。
長く切る場合は、電動工具を使うか、木を購入する時に切断をお願いするのが良いと思います。
使用する材木は、合板、集成材、単板と反りの影響を受けやすく成ります。
私の場合は、小型品には集成材を大型品には合板を使用しています。
合板の場合、切り口にシマ模様が出ますので、見た目を気にする場合は使用個所の検討が必要です。
合板の場合はシナ合板、集成材の場合はパイン集成材がおすすめですね。
入手が楽ですし、切断も容易な方です。


ドライバーは危ない!
スピーカーのユニットには、強力な磁石が付いてます。
工作時に不用意に鉄製品を近づけると引き付けられて、スピーカーを破損する事が有ります。
作業時には細心の注意をはらって下さい。


アンプ製作時の注意

感電に注意!
真空管式アンプの場合は特に回路に高い電圧がかかっています。
感電には十分注意して下さい。
また、完成時には内部の清掃を必ず行って下さい。ちょっとした金属ごみでショート事故が起きます。
感電防止の為、ゴム手袋をする事をおすすめします。

音の次に大切!?測定!
自作経験が無い方などは、測定器など持って無いと思いますが、アンプ自作で出てくる音の次に大切な事は、正常に動作する事です。
音が出るから正常に動いてると思うのは間違えです。
理論に基づいて、正常に動作してこそ、良い音が楽しめますよ。最悪、火事に成る事も有りますよ!
たとえキットを作成するにしても最低テスターは、必要です。
次にオシロスコープと低周波発信機です。全て新品で揃えるのは大変ですので、信頼出切る店で中古を購入するのが良いと思います。
テスターの紹介です。
色々な物が市販されていますが、初めて購入されるなら、私のお勧めは、1万円程度のデジタルテスターです。
永く使用するなら高くありません。安物はそれなりの品質です。
もし予算が許せば、FLUKEをお勧めします。値段相応の使い勝手、品質です。3年使えば元は十分とれます。
写真は載せていませんが、私も使用しています。
デジタルテスター(写真品は多機能品です。(電圧、電流、TrHFE、キャパシター、周波数などが測定できます)
アナログテスター
キャパシターテスター(コンデンサ容量測定の専用器)
LCRテスター(インダクタンス測定、キャパシター測定、抵抗値測定が出来ます。)


デジタルシグナルジェネレーター
DAC製作の強い味方!?
32K〜96Kの各種デジタル信号を出力します。



自作の心構え 2007/01、2010/07
問題なく製作がすすみ無事音がでれば良いですが、自作で一番大変なのは不動で不具合を見つけ修正する事です。
特に回路図を理解出来ない場合、どこから調べればよいかも判らないと思います。
少しづつでも電子回路の勉強をする事で自作の楽しさが増すと思います。
回路動作が判っても不具合箇所を探せなければ直す事が出来ません。
最近当方に、不動の相談がよく来ます。
大方は、部品の付け間違えと半田付け不良です。
自作時に気をつけた方が良い点を少し書いてみますので、参考にしてみてください。

・その1 ハンダ
 基本的な事ですが、ハンダ付けがしっかり出来ていなければ、動きません。
 特に最近のハンダは、無鉛ハンダが多く出回っています。鉛を含まない、環境に良いハンダですが・・・
製作上は難点があります。
 鉛をハンダに混ぜるとハンダの融点が下がります。逆に無鉛ハンダは融けにくいと言う事です。
これは、ハンダ付けする時に長時間基板を暖める事になりますので、銅箔がはがれやすくなりますし、部品交換や修正がしずらくなります。SSOPは尚のことハンダ付け失敗の可能性が高くなります。
よって初心者は、有鉛ハンダを使用した方が良いと思います。(環境問題はご自身で判断の事!!)
又は、改良品の無鉛でも融け易い品を使用する事です。
私は、日本アルミット製品を使用しています。(有鉛時代より使用してますが・・・)
私が思う、最高性能品だと思います。・・・値段も最高です・・・一般品の倍以上します。
でも、1Kあったら数年持ちますのでけして高くはないです。
ハンダの乗りは最高ですし、音質も!?




特にお勧め品は、右側のSUPER FLOWです。
ハンダの乗りは、最高の最高です。
SSOP取付では、使用後失敗なしです。
余談ですが、アルミットは、アメリカのNASAにも採用されている事でも知られています。信頼性が超高い品です。KR-19RMA
近くの部品屋で入手出来ない方は下記で通販可能です。
http://www.bea.hi-ho.ne.jp/furukawa-ele/parts/solder_kr19.htm

・その2 配線

 配線材は基本的には、流れる電流値で太さを決めます。
 大は小を兼ねるとばかりに、太いケーブルを使い、音が良くなる事は無いと思っています。
 細すぎるのは論外ですが、太すぎるのも良くないと思います。
 太いケーブルを使うと基板の穴に入らないので半田付け時に不良が出やすいですし、基板接続部に力がかかり断線の原因になります。
 
配線時の線色もある程度使用箇所で決めるのも間違え防止になります。
 少なくても電源線は決めて製作したほうがよいです。
 +は赤、−は青、GNDは黒とかです。
 色々な色を使うと接続時に間違えが起こる可能性が高くなります。
 電源だけは、くれぐれも逆接続しないように! 音を聞く前に、高価なICが一瞬で・・・


・その3 部品交換
 配布部品セットでは、高価な部品は出来るだけ使用しないようにしています。配布価格を高くしたく無い為です。
 部品交換され楽しまれるのは購入者の自由ですが、当方では配布した部品での動作確認しか行っていませんので、部品交換して動作しなくてもサポートできません。
 過去に交換した部品が不良の原因だった事もあります。
 オーディオ用と称している部品や高性能な部品が音質向上に直結しているとは思っていません。
 ただ、部品交換で音質が変わるのは確かです。変わった音質が、良いかわ個人の感性の問題です。メーカーなどは、色々な部品を交換して音決めを行っています。
 メーカーなら複数の基板を用意して部品個々の音質変化を確かめる事ができますが、1枚の基板で部品交換を複数回行えば基板がコタコタになります。
 部品交換で音が良くなるかわ変えて聞いてみて初めて判る事ですので、どの部品を変えたら音が良くなるなど判らないですし、高価な部品を使い満足されるのは自己満足でしかありません。当然趣味ですので自己満足を満たしてもOK。
当方も実施しております。
 ただ、一部の批評で判断してむやみに使わないほうが良いと思います。
 オーディオ用コンデンサーなどは、製造数が少ないですから高くなるのは当然です。
 けして音質だけで高いのではありません。部品一つで音が良くなるなら皆同じ部品を使いますよね!


・その4 測定器
 問題なく音が出た場合は良いですが、不動の場合は原因を探し手直ししなければ音が出ません。
 アンプなどアナログの完全キットなどはテスターのみで組立て可能かもしれませんが、当方で配布しているDACなどは、テスターのみで不良の原因を探すのは無理です。
 単純な目で見て判るハンダ不良ならよいですが、見た目が正常なら尚更不良原因を探すのが難しいです。
 テスターの次に用意したほうが良い測定器は、オシロスコープです!!。
 オシロがあれば、入力から順番に動作状況を確認していき、不良箇所を探す事ができます。
 逆にオシロが無いと、不良箇所を探す事が出来ないと思っても言い過ぎではないと思います。
 テスターのみで原因探究できる方なら多分最初から不良など出さないで製作できると思います。
 永く自作を続けるなら、是非オシロを購入してください。
 中古でOKです。帯域20M品でも原因探査可能ですし、余裕を見て100M品なら完璧です。

・その5 OPアンプ
部品交換でOPアンプを交換する場合に一つ注意する点があります。
OPアンプの多くは、動作を安定させる為、意図的に周波数特性を制限しています。
逆に言えば、特性が良い品は、安定動作しない可能性があるとも言えます。
OPアンプ回路は基本的に帰還ループ内で使用するので、安定にNFBがかかるかわ非常に重要です。
簡単に言えば、品種により発振する事があるので、高性能品を気軽に使用するのは問題ありと言う事です。
オーディオ用とうたっている品ならOKです。
OPアンプで一番過酷な動作は100%帰還のボルテージフォロアー回路です。
OPアンプを交換する場合はデーターシートでゲイン1で安定動作する品を使用するようにしてください。

・その6 表面実装部品取り外し
出来れば1発で決めたいSSOPなどの表面実装部品の取り付けですが、
取り付け失敗の場合もあると思います。
この様な場合は、無理に部品を取らないで、サンハヤトから出ている
表面実装部品取り外しキット SMD-51
を使用してみてください。
驚くほど簡単に取れますし、外した部品もハンダ吸い取り線で綺麗にハンダ除去すれば再使用可能です。
当方何度もお世話になっており、実証済みです!!

・その7 不具合探し
完成し電源ON・・・音が出ない。ノイズが出る。
などの不具合が発生したら原因を探して修正しなければなりません。
私が思う一番厄介で修正に時間がかかるのは、基板内のどこかで電源がショートしている場合です。
部品実装してからショートしている箇所を探すのは苦労です。
見てすぐ判る場所なら簡単ですが、どこでショートしているか判らない場合、怪しそうな部品を1つづつ外しながら探すしかありません。
ハンダ付け不良の場合もあるし、実装部品が不良の場合もあります。
基板完成後の場合、時間も手間もかかります。
解決策は最初からショートしないように組み立てる事です。
組立時に部品を数個ハンダ付けする毎に電源ショートが無いかテスターで確認しながら組立ていきます。
ショートしてたら直前にハンダ付けした箇所が原因ですので場所はすぐ判るので手直しすればよいです。
手間がかかるように思うかもしれませんが、完成後に手直しする事を思えば手間とは言えないです。

電源に問題がなく不具合がある場合は、信号系ですので、回路図を見て出力側から順に追っていきます。
オシロスコープの出番です。
入力側から見ていっても良いです。信号有無の境を探せば良いのです。


おすすめ参考図書
最後にこれからアンプ製作を始められる方にお勧めの参考図書を紹介します。
私も、色々な本でアンプ製作の勉強をしましたが
初心者向けでは、すこし判ってくると、ものたりなくなりますし、ベテラン向けだと数式が多く判りづらいものです。
最近見つけた本で、私が思うに、バランスが取れており、一通りの解説があり判りやすいものを見つけたので紹介しようと思います。

日本実業出版社 
情熱の真空管アンプ 3600円です。
筆者とは、何の関係もありませんが、純粋に良い本だと思い紹介します。


ダミーロードです。
完成したアンプをいきなりスピーカーに繋ぐのは無謀です!?
写真の品は、8Ω100Wの無誘導ホーロー抵抗です。