HK-2010真空管プリアンプ基板製作記
2014/12/20
(株)KTエレクトロニクスのHK−2010 ラインコントロールアンプをご存じだろうか?

管球王国、ラジオ技術の記事を書かれている、大西 正隆さんが企画設計された真空管ラインアンプです。
大西さんのHPを見ていた所、なんとHK-2010アンプのメイン基板を特別販売しておりました。
http://www.ktamp.com/index.html

最近はDACばかり製作しております。気分転換でアンプを作りたい!と思っていたので渡りに船と購入しました。
回路を見て作りやすく良い音がしそうだ!!と直感が走りました。
1、全て同じ真空管(12AU7)で構成されている。
2、PP出力をトランス出力している。
3、価格も安価、その他いろいろ
全て同じ真空管を使用しているのは、後々のメンテナンで重要です。
何時入手出来なくなる真空管を使用していたら、修理出来なくなります。
当方以前業務用電子機器を手掛けていた関係か!?合理的設計が大好きです。
PP出力をトランス出力している点も、ひずみ率低減、出力インピーダンス低下など好きな回路です。

末永く使用する、自分アンプに仕上げようと思います!

本日、発送連絡が来ました。到着が楽しみです!!

2014/12/23
基板到着です。


基板が到着したので、全体構想を練ります。
まずは、手持ち部品で使用出来そうな品を確認します。
全て指定部品を用意するのも手ですが、特にトランス関連は高額ですので手持ち活用するのが安上がりです!
一番重要なのは、出力トランスです。
経験上、出力トランスで音の印象が大きく変わります。ここはケチらないで高級品を採用します。
ただ、現在入手出来る品は限られます。
自作歴が長いと手持ち部品もそれなりに有るものです!当方も!

出力トランス
 タンゴ NP-126

 タムラ A-8713

 タンゴ NPW-600

NPW-600は一次インピーダンスが高いが少し工夫すれば使用可能。
設計者推薦回路で使用出来るのは、NP-126かA-8713となる。
今回はNP-126とA8713とで聞き比べして決める事にする。
全て生産終了だ。

現行品なら
ハシモト HL-20K-6
ノグチトランス FM-10K-600CT 
が使用出来る。

電源トランスは、タンゴCV−2を使う。


原回路では、倍電圧整流方式だが、トランス変更に伴い整流回路は変更する事になる。

電源回路変更ならチュークコイルを入れようかと思う。
手持ちで使えそうなのは、
 サンスイ C−30−30 30H、30mA品。古い!

上記品を使用して製作する。

次に、操作スイッチ回りとデザインを考える。
入力セレクターとボリュームは必ず必要。
他の付加回路はどうするか?

2014/12/25
暫定デザイン 前面図
デザインを考えていたが、最近当方のDACで採用しているデザインに似せる事にした。
並べて置いた時の統一性を考慮してだ。
中央にVFDディスプレイを配置している。
操作スイッチとしては、
入力切替、ローブスト、ディスプレイ照度切替、ミュート
入力切替は、基板搭載の5回路とする。
ローブストも同じく5切替。
照度切替は、VFDディスプレイ設定で表示OFF、50%照度、100%照度。
ミュートは単純にON、OFF切替とした。
元回路のアッテネーターは省略する。
ただ、メインDAC接続でボリューム位置中間位置にし出力0.5V程度になるようにゲイン調整抵抗を実装しようと思う。
原機には無いがバランスコントロールは実装する。

VFD表示には、選択入力、ローブースト、ミュート表示を行う。

一番の問題はボリュームに何を使うかだ。
安価で入手容易なのはALPSミニデテントだが・・・

2014/12/26
プリアンプにVUメーターは必要か?
と言う論議は置いといて!アナログメーターはデザイン上はカッコイイ!!と思える要素の一つではある。
まあ、必ずしもカッコイイと成らない場合もあるが。
何時か使おうと秘蔵していたdBメーターがある。
多分、測定器用だと思う。裏に「密閉しているから開けるな」と英語で書いている。多分USA製だと思う!?

このメーターと取り入れて良いデザインに成らないか?と再度デザイン考慮中である。
暫定デザイン2 前面図

2014/12/29
まだ何も進んでいませんが・・・
横道にそれています。ペアーで使うパワーアンプの事を考えてたりします・・・
しばらく眠っていたアンプ作りの虫が起き出しました・・・
ドライバー段にチビ管の5670を使ったKT-88ppなど良さそうだ!などと考えて回路など考えておりました。
KT-88pp回路 動作検討していない妄想回路です!!

話を戻して。
トランス変更に伴い電源回路を変更する。
今まで経験した真空管アンプでのトラブルで一番多いのは、ヒーター切れだ。
当方、北海道在住だが冬場自室に居ない時は暖房を止めている。節約!!
室温が10度程度の時もある。
その様な時にアンプ電源ONした時などヒーターがプチ・・・と切れる時がある。
多分温度が低いので普段より大きな電流が流れた為!?と思う。
じわじわとノイズなど出て壊れていくのと、いきなり音が出ないのでは心の準備が出来ていない分ショックも大きい。
今回は、末永く使える品とする!ので電源回路も少し凝った品にする。
1、ヒーター回路にタイマー機能を持たせ、電源ONで6V、、その後正規電圧12Vを供給する回路にする。
2、B電圧もヒータータイマーに連動してヒーター正規電圧供給後に供給する。
まあ、回路規模が大きくなると、その分他が故障するリスクも増える。自己満足の要素が大きいです!
電源部回路

2014/12/31
今年も残り24時間を切った。
年末なので夜更かし中。
dBメーターは完全に飾りでしかない。
大型の丸メーターを付けたいだけだ。
+-6dBしか表示出来ないので元々意味が無い。
完全に飾りなのでメーター駆動回路もLOGアンプなど意識しないでOPアンプ1個で簡単にすませる。
メーターが振れ、雰囲気が味わえれば良い。
もし、本格的なdB表示メーターを採用していたらLOGアンプが必要だ。
正確なLOGアンプを作るとなると非常に大変な事になる。
ちなみにVUメーターにはLOGアンプは必要ない。
規格通りのVUメーターなら交流電流計となり、600Ωラインに接続しただけで正確な値を表示する。
正確なVU計なら最低でも数千円、高級品なら万円はする。
オークションで1個千円程度なのは、VU表示のメーターにすぎない。

アンプ部は購入した基板を使う。決まり!
その他回路用に基板を製作しようか!?と考えている。
新規製作基板に乗せる回路は?
・B電源
・ヒーター電源
は、タイマー遅延式にする。
・メーター駆動回路
・VFD表示
VFD表示には、入力選択状態、ローブースト選択状態を表示させる。
・VFD表示するならCPU回路も必要だ。
機能としては、VFD表示だけのつもりだったが・・・
電源タイマー遅延回路もCPUでで行う。
タイマー遅延中は、VFDでカウントダウン表示させ出力もミュート状態にしたい。
出力部にリレーを入れてミュートにする事も可能だが、入力リレーを全てOFFにすれば結果的にミュートになる。
となれば、入力選択リレーを製作基板に搭載する方が合理的だ。
・・・付属回路の方が大きくなりそうだ。

2015/01/03
製作基板に実装する機能を決めた。
・IN 入力切替回路。
・AC AC100V入力回路、分配.。
・PU +B電源、ヒーター電源
・LOW BOOST ローブースト部もリレー切替にする。配線長を短くする目的と配線を簡単にする。
・CPU スイッチ入力制御とディスプレイ制御、あとリレー制御。
・METER メーター駆動回路。電源ONのメーター振り切れ等防止でここでもリレー使用。
リレーだけで20個ほど使用する・・・リレー基板だ!!
リレーを使用する最大のメリットはリレー制御部と信号部のGND、電源を完全に分離出来る事だ。
半導体リレーを使う方法もあるが、価格と付加回路を考えると結果的に安くなる。(手持ちリレー活用)
使用リレーは手持ちの小型品を使用する。PU部のリレーのみ耐圧が高い品を使用しなければならない。
IN基板は、別基板とし基板に直接RCAコネクターを実装する。これも配線を簡単にする為だ。
CPU回路、リレードライブ電源にはスイッチング電源を使う。
リレー多用し電源分離しているのも、この為だ。
SW電源に関してはノイズを気にして使用しない方も居るが。当方は特に抵抗を感じない。
使用する電流値を考えれば、発熱の問題も解決する。
使用箇所や配置場所を考慮すれば問題なく使用出来る。
一番の問題は、SW電源基板から出る放射ノイズだ。アンプ基板から離しシールドケースに入った品を使う。
回路図は
IN基板
その他
基板設計に入る。

2015/01/10
まだ基板設計が完了していない。
初期バージュンは完了したが、大きすぎる為、修正バージュン設計中だ。
使用予定ケースはタカチOS99−37−43だ。
アンプ基板とその他基板+トランス類を平面に収める。
ケースに収める事を考慮して再設計中。
ケース取付を考慮しないで設計すると後で痛い目にあう。

2015/01/12
基板設計完了。基板設計に伴い回路も一部変更した。
基板設計は通常2,3回は書き直す。

回路図は最初から信号の流れに沿った書き方を行い、基板は出来るだけ回路図の信号流れを再現する。
結果的に信号の引き回しが短い基板になる。
最初の基板レイアウトより、部品配置変更などで基板縮小を行う。

基板イメージと回路図
入出力基板 基板イメージ 回路
その他基板 基板イメージ 回路

基板チェツクを行い問題なければ発注する。

2015/01/19
まだ基板発注していない。
いろいろ忙しいのと、デザイン再考中である。
考え中なのは、ボリュームだ。
原機では、入力段にATTがが入りその後にボリュームが入る。
バランスコントロールを付けようと思うが、
固定ATT+バランス+ボリュームと入れると、入力インピーダンスが低くなりすぎる・・・
全て高抵抗値を使えば良いが、入手性や音質からバランスとボリュームは100K品を使用したいと思っている。
ATTは必要か?
ATTは必要だ、アンプ部のゲインは20dBある。ラインアンプとしては高ゲインだ。
ATTが無いとボリューム操作がしずらい事になる。ATTとして10−15dBの固定ATTを入れるつもりでいた。
バランスコントロールが必要か?
バランスコントロールは左右のゲイン差が無ければ必要ない。
ただ真空管アンプの場合、真空管のバラツキによるゲイン差が必ず出る。誤差として無視する事も出来るが、
末永く使う前提アンプでは経年劣化でゲイン変化する事も考慮する。
パワーアンプ側でコントロールする事も可能だが気分の問題だ。
半導体アンプの場合は、高NFBでゲイン差を無視出来るレベルまで小さくしているのが普通だ。
入力段の固定ATTを可変ATTとしバランス削除を行おうかと設計変更中である。
ATTを固定抵抗からボリュームに替える。